●ナスカの概況
ナスカの地上絵が立地する場所は、ペルー南海岸地方の北から南へ走る丘陵と東方のアンデス山脈の麓との間にあるパンパ=コロラダ、パンパ=インヘニヨと呼ばれる細長い盆地である。長い年月の間に、西方や東方の比較的高い場所からの水の流れが浸食した土砂を盆地に運び続けた。このような土砂は細かくて明るい色、黄白色をしている。この土の上に時々大洪水によって多量の石を含んだ土砂が運ばれる。細かい土は、南風によって吹き飛ばされ、比較的大粒の礫や岩石が残される。岩石は早朝は露に濡れるが、日中は焼け付くような砂漠の太陽に照らされることを繰り返すうちに、表層の岩石はやがて酸化して暗赤褐色になる。岩石が日中の太陽で熱をもつので、その熱の放射で地表に対して暖かい空気層をつくり出し、南風による表面の浸食を防ぎ、雨も殆ど降らない気候環境から雨による浸食もほとんどない状況をつくり出した。1939年6月22日、動植物の地上絵は考古学者のポール・コソック博士により発見される。その後ドイツの数学者、マリア・ライヒェが終生この地に住み着き、彼女を中心として、地上絵の解明作業と、保護が行われるようになった。あまりにも巨大な絵が多く、空からでないとほとんどの地上絵の全体像の把握が難しい。このような巨大な地上絵を何故描いたのかというのが大きな謎の一つとなっている。
●ナスカのみどころ
イカ空港・ナスカ遊覧飛行受付( Aeropuertos de Ica, Vuelos Panorámicos Nazca Aceptado)
ナスカの遊覧飛行をするのには、リマからアエロコンドル社の飛行機でこのイカ空港に降り立ち、小型のセスナ機に分乗して地上絵を見ることになる。乗客が全て帰って来るまでセスナ機は何度も地上絵遊覧のために往復することになるが、この空港で待っている間に待合室では地上絵のスライド説明会がある。また待合室では音楽を聴きながらゆったりとした気分で時を過ごすことも出来る。遊覧飛行は朝日が斜めに当たって地上絵を浮き立たせてくれる午前中の観測が良いと言われているので、早めに飛んだほうが良いと思われる。
イカ・考古学博物館 (Museo Arqueologico de Nazca)
イカの考古学博物館にはナスカ時代の土器やミイラが展示されている。両手両足を折り曲げられ遺体として甕か何かに入れて保存されミイラとなった人間が現代に蘇っているようで、ミイラと向き合うと何とも言われる空間と時間を感じることが出来る。土器の中には当時の農作物の収穫祈願に用いられたであろうトウモロコシやジャガイモなどをモチーフとした土器や水入れなど、また様々な農機具も見ることが出来る。ナスカ文化は紀元前100年頃から紀元700年頃にかけて栄えた。場所はペルーの首都リマから南に400kmの海岸地帯で、ナスカの地上絵は内陸の砂漠地帯にある。地上絵のモチーフは動植物とか直線、幾何学図形など。いろいろな生き物が描かれている。
ナスカ地上絵クモ-46m Los Geoglifos de Nazca -Araña)
ポール・コソックが2番目に発見した記念碑的な図形。長さ46メートルで大草原の絵の中では標準的な大きさである。左右は非対称であるが、それがこのクモの種類がアマゾンの熱帯雨林の中にしか生息しない、ごく小さな蜘蛛「リニクレイ」であることを示している。というのは、「リニクレイ」は、尖ったこぶの生殖器が右足の先から延びているという珍しい特徴を備えているが、それがこの絵図に描かれているからである。
ナスカ地上絵ハチドリ-全長110m、横幅 96m (Los Geoglifos de Nazca-Colibrí)
ハチドリはパンパのキャンパスに消えかかったものまで入れ ると3羽描かれているという。この絵は全体の中でも特に鮮明に見えるもので、見事なま でに図案化されており、上空から眺めると、いかにも花の蜜を求めて突進している姿が印象的だった。大きさは、110m/96m。最も保存状態の良い地上絵の一つである。空から形をつくる線に見えるのは石をどけたとき下からあらわれる幅10cmの白い砂地。巨大な絵はどれも一筆書きで描かれている。線は人間が歩くための細い道で、一筆書きにしてあるのは人々が立ち止まらず歩き続けるための工夫なのだそうだ。
ナスカ地上絵・コンドル-135m (Geoglifos de Nazca-Cóndor)
グンカンチョウとも呼ばれており、全長135メートルの勇姿
は絵図としては大きい部類に入る。両翼を広げたコンドルの姿は雄大である。ハチドリと同様、輪郭が鮮明に残っている絵図の一つだ。
ナスカ地上絵・オウム-200m (Los Geoglifosde Nazca-Loro)
大きさ200mの翼を広げたオウムと呼ばれているが、コンドルと呼ぶ人もおり、何を描いたかはっきりしない絵の一つ
ナスカ地上絵・手-9本指の妖精-45m (Los Geoglifos de Nazca Manos)
トカゲと木(または藻類)と並んで描かれている、奇妙な四本指の手。小さそうな絵に見えるがこれでも45mある。5本と4本の指を持つ不思議な絵は、なぜか「妖精」と呼ばれている。
ナスカ地上絵・宇宙飛行士-35m (Geoglifos de Nazca-Astronauta)
やや小高い丘の側面に描かれているのが「宇宙飛行士」と呼ばれる何とも奇妙な形をした絵である。図の大きさは約35mで、右手をあげて挨拶をしているようにも見える。実際はナスカの儀式に関係する人物である可能性が高いようだ。
ナスカ地上絵・サル-80m (Geoglifos de Nazca-Mono)
長さ80m。クモザルと考えられていますが、ナスカには生息していない。熱帯雨林から連れてこられ、ペットとして飼われていたのかもしれない。
ナスカ地上絵・イヌ-50m (Geoglifos de Nazca-Perro)
長さ50m。なぜか尾が2本描かれています。イヌ、ジャッカル、キツネとも呼ばれている。サルと宇宙人の中間地点にある。
ナスカ地上絵・首の長い鳥-280m (Nazca Geoglifos-Cuello)
ナスカのキャンバスに描かれた動物の中で最も奇妙な絵である。 全体でおよそ280メートルの長さを持つこの鳥は、150メートルに及ぶ尖ったくちばしが9回ねじれて、さらに先に延びている。この奇怪な鳥は、「フラミンゴ」、「アオサギ」、「ベニヅル」など様々な名称で呼ばれているが、確かなことは分かっていない。
ナスカ地上絵遊覧飛行搭乗証明書 (Geoglifos de Nazca Certificado de Vuelo)
セスナ機で地上絵の遊覧飛行を楽しんだ後、地上に降り立つと係員から搭乗証明書を受け取る。