●サンサルバドルの概況
サンサルバドルの人口は約50万人で、市域は75km2。また、第二次世界大戦後の急速な成長によりできたサンサルバドル大都市圏(Area Metropolitana de San Salvador,AMSS)の人口は210万人、面積は610 km2で、エルサルバドルの人口の3分の1が集中している。そのため国富の半分が集中し、エルサルバドルの経済の中心となっている。市中心部には多くの高層ビルが立ち並ぶが、歴史的建造物は地震やスペインの侵略者、ペドロ・デ・アルバラード (Pedro de Alvarado) による破壊のため、ほとんど残されていない。パンアメリカンハイウェイが市内を貫き、多くの都市と結びついている。また、同市はビール、タバコ、石鹸の生産地でもある。サンサルバドル市民は富裕層と貧困層の二つに分けられる。エルサルバドルの地方都市に比べれば豊かだが(一人当たりのGDPの全国平均は2300ドルだが、同市は6000ドル)、貧困は同市の最大の問題である。また、人口問題も顕著で、サンサルバドルは(メキシコは北米と考えた場合)中米最大の都市である。
●サンサルバドルのみどころ
カテドラル (Catedral Metropolitana de San Salvador)
サンサルバドルのメトロポリタン大聖堂はカトリック教徒大司教区の主要な教会の一つであり、法王のヨハネパウロ二世は二度もこの大聖堂を訪問している。1888年に建築されたカテドラルは1951年の火災によって消失し、その後様々な経過をたどりながら1999年3月現在の荘厳な大聖堂が再建された。
国立人類学博物館 (Museo National de Antropologia)
国立人類学博物館(Museo National de Antropologia)は高級住宅街があるソナ・ロサ(Zona Rosa)という地区にある。マヤ文明・オルメカ文明を題材とした人類学、考古学の博物館。
カサ・ブランカ遺跡博物館 (Casa Blanca)
カサ・ブランカ藍染博物館はJICAの支援で建てられ、エルサルバドル特産の藍を利用して、日本の伝統技術を取り入れた藍染工房がある。藍染製品もいろいろ展示されており、博物館のスタッフが着ているシャツもみな藍染。
園内には遊歩道も整備されていて、タスマル遺跡の一部であるピラミッドもここに点在している。
ホヤ・デ・セレン遺跡 (Joya de CerlPn Archaeoligical Site)
1976年に発見されたこの遺跡は、600年頃に火山の噴火によって壊滅した村である。「中米のボンベイ」と呼ばれ、当時の市民生活がそのまま残っている住居跡や集会所など17の建物や畑が発掘されている。火山灰の温度が100-500度と、さほど高くなかったことから、厚さ5-7mの火山灰に埋もれた遺跡の保存状況は素晴らしく、遺跡の上を鉄骨とスレートの屋根で覆うなどし、遺跡の風化を食い止める努力をしている。遺跡からは、日干しレンガで造られた住居やサウナ、陶器、香具、シカの角製の髪飾り、染料として利用した藍やトウモロコシやチリトウガラシ、カカオ豆などが化石として見つかり、マヤ文明の庶民の生活を知るうえでの、貴重な史料になっている。1993年に世界遺産として登録された。
サンアンドレス遺跡 (San Andres)
1910年に発見された遺跡で、合計15の築山がある。マヤ文化を起源としているがマヤ文字が刻まれたステラ(遺跡の入口にそれらしき物があるが、ここで発掘されたものではなく、レプリカとのことである)がないことから、誰がなんの目的でつくったか、謎の遺跡である。8世紀に造られ、その後異なる様式で表面が覆われたという。11世紀頃にメキシコ中央高原で興ったトルテカの影響を受けている。